アーツ×アーツ

本好きでマンガ好きのジョン・スミスが書く、名著礼賛ブログです。

カテゴリ: 長編

「宗教教育がない!それではあなたがたはどのようにして道徳教育を授けるのですか」
私は愕然とし、すぐに答えることができなかった。
-新渡戸稲造『武士道』



どうも!

日本人のモラルはどのように保たれているのか。
それは武士道によってであると新渡戸稲造は考えました。

僕、『武士道』を読んで、その理想像に心が打たれまくってしまいました。
ここでは紹介しきれないくらいに感銘を受けた記述が沢山あって、それ以上に思索を巡らせたことが沢山あります。

一時期、この本を肌身離さず持ち歩いていたことがあって、そのせいで文庫の本が今はボロッちくなってしまいました。
『武士道』概要
『武士道』においては、外国人の妻にもわかるように文化における花の違いに触れたり19世紀末の哲学や科学的思考を用いたりしながら、日本人は日本社会という枠の中でどのように生きたのかを説明している。
島国の自然がどのようなもので日本独特の四季の移り変わりなどから影響を及ぼされた結果、日本人の精神的な土壌が武士の生活態度や信条というモデルケースから醸成された過程を分かりやすい構成と言葉で読者に伝えている。
例えば、武士や多くの日本人は、自慢や傲慢を嫌い忠義を信条としたことに触れ、家族や身内のことでさえも愚妻や愚弟と呼ぶが、これらは自分自身と同一の存在として相手に対する謙譲の心の現れであって、この機微は外国人には理解できないものであろう、といったことを述べている。
しかしこれは新渡戸独特の考えであり、彼の思想を批判する書も出されている。
(Wikipedia)

僕は本書で述べられる「知行合一」に対する武士の真摯な姿勢に、心打たれました。知行合一を平たく言うと、思想と行いは同じくしなければならないという事です。元々は陽明学の思想ですね。

「読書で知識を貯めるだけで、実践しない人間は軽蔑された。」なんて、本書の一部をかいつまんだ一文ですが、耳が痛いですね。ザクリと刺さりました。

義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義。七つに分けて武士の在り方を論じますが、どの章も目から鱗が落ちて大いに感銘を受けます。
僕はこの本に、数ページごとに大切な一文が書いてあることを示す折り目を入れております。全部で80箇所くらいですかね。こんなにチェックを付ける本は、武士道と他数冊くらいかなぁ。

カッコいい人って、きっと、武士道が示す生き方を実践している人なんです。
そして僕は、そんな男にある種の信仰を持ってるんです。

ではまた!



悪徳におちいったからって、それが何なのさ、かまうことはないじゃないの!
-サド『閨房哲学』



***危険書です。自己責任でお読みください。***

どうも!

『閨房哲学』は見慣れない漢字ですが、これで『けいぼうてつがく』と読みます。

著者のマルキ・ド・サドは、フランス大革命の時代を生きた小説家です。「サディズム」の語源は彼の名前から来ているといわれていますが、その理由は、彼が性的倒錯をテーマに多くの作品を残したからです。

要するに、「引くほどの狂った性癖を持ってた」ってこと。

中でも『閨房哲学』は、彼の反社会的思想や性に対する歪んだ考え方が高密度に濃縮された、超・超・超危険書です。

時のフランス政府から発禁処分を受けてますし、サド自身も人生の半分を精神病棟と監獄の中で過ごしました。

『閨房哲学』概要
15歳の少女ウージェニーと、姉弟で交合するサン・タンジュ夫人、放蕩生活者のドルマンセとの情欲を賛美する対話を軸に展開され、無神論、不倫、近親相姦の肯定などが書かれている。小説の形式が取られているが、登場人物が台詞で自らの思想を長文で論理的に解説する部分に紙面が割かれている。
(Wikipedia)

革命期という激動の時代にあっても異端視された思想と作品だけあって、中身は蠱惑的なエネルギーに満ちております。

倫理はなぜ守られるべきなのか。

ある種答えのない難題に、自らの欲望を第一にするという姿勢で考えることで一種の答えににじり寄っているように思うのです。

分別の付く年齢になったら読んでくださいね。

ではまた!


僕の胸の底には、見かけを超えた悲しみがあるのです!
―シェイクスピア『ハムレット』




どうも!

『ハムレット』といえば、シェイクスピア四大悲劇のうちの一つとして有名です。

タイトルのハムレットとは主人公である王子の名前であり、悲劇の名に恥じぬ誰も幸せにならないストーリーとなってます。

『ハムレット』あらすじ
 デンマーク王が急死する。王の弟クローディアスは王妃と結婚し、跡を継いでデンマーク王の座に就く。父王の死と母の早い再婚とで憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から父の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、自らも確かめる。亡霊に会ったハムレットは、実は父の死はクローディアスによる毒殺だったと告げられる。
(Wikipediaより)

父を殺し、母を奪った憎き叔父を殺すため、復讐の炎に燃えるハムレット。

狂人を演じることで周囲を欺き、その後の人生のすべてを復讐のために注ぎます。

父がクローディアス(ハムレットから見た叔父)に暗殺されたことは、ハムレットしかおりませんでした。

ハムレットには友人も、ガールフレンドもいました。しかし彼らにも真意を告げることはなく、彼らに冷淡な態度・言動を取り続けます。友人もガールフレンドも、ハムレットの行動に起因して命を落とします。それでもなお、ハムレットは復讐を成すために生きるのです。

最後、ハムレットは憎きクローディアスを打ち取ると同時に息絶えます。
すべてを投げ打って復讐を成したハムレットの胸中はどんなものだったのでしょうか。

父の敵を討つためだけに生きたハムレットは、息を引き取る最後の瞬間、幸せになれたのでしょうか?

父の死の真相を知ってから、それを知らぬ振りをすることも許すこともできず、ただただ苦しんだのかもしれません。復讐のために生きることが、そんな悲しみを癒すただ一つの手段だったのかもしれません。

 時代を超えて愛される『ハムレット』、ぜひともご一読ください。

ではまた!

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