万歳!マクベス殿…王となられるお人よ!
―シェイクスピア『マクベス』




どうも!

前回『ヴェニスの商人』を紹介したとき、一見喜劇であっても立場が変われば悲劇にも見えるという、シェイクスピアの表現能力に度肝を抜かれたわけですが、今回はがっつり悲劇の、登場人物の誰も幸せにならない『マクベス』についてご紹介しようと思います。

『マクベス』
1606年頃に成立したウィリアム・シェイクスピアによって書かれた戯曲である。勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる。実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしている。
(Wikipedia)

魔女の予言と妻にそそのかされ、君主を暗殺。そして望み通り王位を得たマクベス。

しかし、その心は決して穏やかなものではありませんでした。君主殺しの罪悪感に苛まれ、開き直ることも受け止めることもできずに苦しみます。以来、穏やかな眠りにつくことも叶わず、幻覚、疑心暗鬼が心を支配し、多くの人間を殺し、最後は自身が手にかけた君主の息子に殺されます。

マクベスに君主の暗殺をそそのかしたマクベス夫人も、自身が犯した罪に耐えられず精神を病み、最後は病で命を落としました。

地位も名誉も得たはずなのに、幸福は得られなかったマクベス。
そして暴政でその不幸を周囲に伝播させてしまう彼は、本当に欲しかったものを得られたのか。

必ずしも野心を実らせることが自分を満たすわけではないという事でしょうか。
自分の器に見合わないものを得ても空疎な自分に気付かされるだけです。
せめてマクベスが絶対的に自分の意思で暗殺を行えたなら、すべてのカルマを自分のものにする覚悟があったなら、もっと開き直った悪党になり、結果として自分の芯を強く保てたかもしれません。

多くの示唆に富んだ真に迫る内容です。
400年以上経てもなお愛される作品とはこういうものかと、改めて感動です。

ではまた!

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