アーツ×アーツ

本好きでマンガ好きのジョン・スミスが書く、名著礼賛ブログです。


いよいよ貴様の、この、襟首をおさえたぞ!
-ゴーゴリ『外套』



どうも!

タイトルの『外套』は、見慣れない漢字ですが、「がいとう」と読みます。
わからなかったので調べました。

外出時に着るロングコートやマントを指すようです。

作者のゴーゴリは寒さの厳しいロシア出身ですから、寒さを和らげる為の外套は僕たち以上に日常に近かったのかもしれない。なんて考えてみたり。

こちら、あらすじです。

『外套』あらすじ
ペテルブルクに住む主人公アカーキイ・アカーキエウィッチは下級役人であった。
彼は使い古された外套が、ついに修繕が不可能なことを知らされた。新調するには80ルーブリかかるが、それは大変な出費だった。
80ルーブリになんとか当てがつき、外套の代金が溜まった。
新品の外套が手に入り、アカーキイは幸せな気持ちだった。およそ楽しみといったものはなく、仕事を機械的にこなすだけの日々だけだった彼にとって、それは画期的な大事件だった。
それは同僚にも同じことで、新調した外套を着ていった日は、その話で役所中で持ちきりとなり、彼の外套のために祝杯をあげる騒ぎとなった。 ところがその帰り道で、大切な外套を追剥に奪われる。アカーキイは外套を取り戻そうと、警察署長や有力者に尽力してもらえるように頼む。どちらにも相手にしてもらえず、おまけに叱責されてしまう。
これらのことが重なり、彼は熱に倒れて、そのまま死んでしまう。
話はここで終わらなかった。
アカーキイが亡くなった直後から、妙な噂が街に流れ始めた。
夜な夜な官吏の格好をした幽霊が盗まれた外套を探して、道行く人から外套を追い剥ぐというものだった。
(Wikipedia)

感情のやり場がない話です。

一人の地味な男がやっと手にした、とても小さな喜びを奪われて死んでしまう。

作中でも、主人公のアカーキイ・アカーキエウィッチがいかに冴えないかを事あるごとに何ページもかけて説明します。そこまでしなくても、って思わなくもないですが、その説明のどっかにシンパシーを感じてしまうんですよね。

ロシア文学だと同じゴーゴリ作の『鼻』、そしてツルゲーネフの『はつ恋』を読みましたが、どれもどこか寂しくて切ないんです。

寒い地方でこんなに切ない話を読んで、ロシア人は気が滅入らなかったのかと余計なことも考えてみたり。

ではまた!


ねえ、窓の外を見てごらんなさい。あの壁のところ、最後の一枚のつたの葉を見て。
どうして、あの葉、風が吹いてもひらひら動かないのか、不思議に思わない?
-ヘンリー『最後の一葉』



どうも!

これ、皆さん知ってる話かも。すっごい有名なお話です。

僕も読み終えてから、「えー、この話、ヘンリーの短編だったんだ!」なんてびっくりしました。


主要登場人物はこの三人

ジョンジー:画家。肺炎にかかり、入院を余儀なくされる。
スー:ジョンジーの友人。
ベアーマン:老画家。ジョンジーとスーが住む部屋の下に住んでいる。

芸術家のジョンジーは肺炎にかかり入院してしまう。担当医は「気の持ちようが回復を左右する」と、言っているにもかかわらず、ジョンジーは心身ともに疲弊していた。
見舞いに来た芸術家仲間のスーに対して、
「窓の外に見える木の葉がすべて散るときが、私の逝くときよ」なんて言い出す。
ジョンジーの様子を心配したスーは、階下に住む、老画家のベアーマンにこの事を伝える。
ベアーマンは「葉が散るときに死のうなど、ありえない!」と言い、ジョンジーを心配する。
その晩は雷雨になった。葉は全部散ったと思われたが、確認すると奇跡的に一枚残っていた。
その葉は何日も散らずに粘り続け、ジョンジーはその葉に励まされながら治療を続ける。
命の心配がなくなり、ジョンジーも元気を取り戻したころ、スーはジョンジーに伝える。
「ベアーマンさんが肺炎で亡くなったわ。雷雨の晩に、外へ出たのが原因だって。どこへ行ったのかわからなかったみたいだけど、倒れているのが見つかった時、周りには絵筆とパレットが落ちていたって。ねえ、窓の外の一枚の葉。なぜ風が吹いてもひらひら揺れないのかしら。」
ジョンジーを励まし続けた最後の一枚の葉は、ベアーマンが雷雨の夜に描いた葉っぱだった。

この話、聞いたことある人いるでしょう!

僕は多分、小学校か中学校の道徳の授業で聞いたんじゃないかなー…なんて記憶があります。

「ベアーマンの気持ちを考えましょう」みたいなテーマがあって、グループで議論しました。

しかし今思うと、この時のベアーマンの気持ちを言葉にしてしまうのは、少々無粋ですね。


作者のオー・ヘンリーは、こんな感じに綺麗にまとめられた短編が得意で、読後感もなんだかスッキリします。

前の記事で紹介した『賢者の贈り物』も、綺麗にまとまった短編でした。


アマゾンが提供する電子書籍サービスのkindleなら、ヘンリーの作品集が99円で買えてずーっと手元に置いておけますので、重宝します。

そんなわけで、「『最後の一葉』って、ヘンリーだったんだ!」と感動した記事でした。


ではまた!


彼はそのような奇怪千万な出来事をどう考えてよいのか、まるで見当がつかなかった。
-ゴーゴリ『鼻』



どうも!

なんとなく買った本に同時収録されていた、『鼻』を読んでみました。

僕は全くの初見、予備知識なしの状態で読んでみたのですが、読後最初の感想は「なにこれ????」でした。


あらすじを説明するにしても、

理髪師の朝食のパンの中に、人の鼻が入り込んでいた。
それは常連客のコワリョーフのものだった。
一方コワリョーフは、ある朝起きたら鼻が無くなっているのに気づいた。
コワーリョフは、自分の鼻が高い社会的地位を得て、良い服に身を包み、馬車に乗って去っていく姿を見た。
気が狂いそうになりながら、鼻を追跡しようと奔走する。
鼻を手に入れ、医者に行くが、治療を拒否されてしまう。
ある朝起きたら、鼻は元通りに自分の顔にくっついていた。

これです。

うーん…やっぱりよくわからない。

特に、鼻が実在の人間の世に振舞って街を闊歩する姿は、いったい何なんでしょう??

読後感を味わいたかったのですが、話の本質が理解できず、味わえない。初めての体験です。

そんなわけなので、この『鼻』はふとした時に思い出しては、どんなものなのか考えてみたりしてます。

いつか理解したいもんですね。

ではまた!

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